2011年10月01日

9月24日(土) 蛇谷ヶ峰でタカの渡り観察

秋分の日も過ぎ、いよいよやってきましたタカの渡り観察の日!
少しずつ肌寒くなり秋を向かえた今、エサの少ない冬がやってくる前にタカは新たな生活拠点を求め1万km以上の途方もなく遠い距離を約2ヶ月旅するのです。
目指す先はタイ、マレーシア、クアラルンプール、ジャワ島。
すべての猛禽類が渡りをするわけではなく、種によって渡りの目的、目的地など異なるそうですが。
さて、今日はどんなタカに出会えるのでしょう。

今日は朝から雲も少なく見渡す限りの青空。蛇谷ヶ峰山頂目指して出発だぁ!
山頂へは最短距離の朽木スキー場から登山します。
さわらび草原を通り抜けるこのコースは、三分の二ほど登りが続きますが、最後三分の一は緩やかな尾根道で、右は朽木の里山、左は高島の町並みと田んぼ、そして滋賀のシンボルでもある琵琶湖を眺めて歩くコースなのです。
今日の参加者は年齢層が幅広く、最年少は5歳。大人と同じ道のりを歩きます。
山頂まであと少し。数十mを残し、なぜこんなに急坂なのか!と言いたくなる坂を
踏ん張り登り終えると、そこには滋賀を見渡せるすばらしい景色がありました。
ここ蛇谷ヶ峰から近江富士をはっきりととらえることができるほど。
サイコ~ウ!!
9月24日(土) 蛇谷ヶ峰でタカの渡り観察 9月24日(土) 蛇谷ヶ峰でタカの渡り観察
今日は山崎先生からタカの渡りについて教えていただきます。
9月24日(土) 蛇谷ヶ峰でタカの渡り観察 9月24日(土) 蛇谷ヶ峰でタカの渡り観察
フィールドスコープと双眼鏡を準備してタカが現れるのを待ちます。待ちます。
そんなすぐには現れませんが、天気も良いのでお弁当を広げて気長に待ちましょう♪
9月24日(土) 蛇谷ヶ峰でタカの渡り観察
先生が遠くの方でタカが飛ぶのを発見しました。慌てて双眼鏡を覗き込むが見えず。
誰かがまた発見します。次々と現れているはずのタカたち。
指さす方向を必死で見るが、なかなか見えず。
「あっ!いた。」やっと発見。と思えば、すぐに遠くへ行ってしまいます。驚くスピードです。
そうなのです。タカのスピードについていけず見えなかったのです。

日が昇るにつれ、タカのルートが少しずつ近づいてきます。
羽の色、形などわかるようになってきました。今日観察できたタカは、ハチクマ、サシバ、ノスリ、ハイタカの合計133羽。そしてアサギマダラ15匹。これはおまけです。
タカ柱も見ることができました!
9月24日(土) 蛇谷ヶ峰でタカの渡り観察 9月24日(土) 蛇谷ヶ峰でタカの渡り観察
今日私たちが観察したのは彼らの旅のほんの一部分だけ。
海を越え、たくさんの風をつかまえ、何日もかけて新しい地で羽を休める日まで、旅は続きます。
そんな彼らの背中に「いってらっしゃい。また帰ってきてね」

iconN27タカを取り巻く環境
生態系の中で猛禽類は高次消費者として食物連鎖の頂点に位置します。
山が荒れ、植物や昆虫が少なくなり、それをエサとする生き物たちが減ることで
猛禽類も数を減らしてしまいます。
その点で猛禽類の個体数は生態系の健全度を知る指標となります。
各地で猛禽類の観測が行われている理由はこういった背景も含まれているのです。
渡りをした先の環境が破壊されればどうなるのか…。
長い渡りを終え帰ってきたとき、安心して羽を休める場所があるかどうか。
今、タカを取り巻く環境はそんな心配をせずにはいられないのです。
@oshima



Posted by kutsukiifc at 15:00